ビーズクッションが人間を退化させる。
ビーズクッションは恐ろしいほど人間を怠惰にする。
今この瞬間も私はビーズクッションの恩恵を受けながらブログを書いているのだが、どうしたことか先ほどから腰が上がらない、もしくは腰を上げたとしてもまたビーズクッションに引き戻されるという珍事がここ数分のうちに多発している。
ソファやベッドがないこの我が家において唯一頼れるのがこのビーズクッション。お昼寝にも最適であるのがこのビーズクッション。余裕があればいつでも持ち運びたいと考えているのがこの快適さの権化であるビーズクッションだ。
自分が座った形に変形し、見事フィットする。できれば購入したあの日に遡り、過去の自分に教えてあげたい。「すでにクズなのにもっとクズになりますよ。それでもいいんですか。買うんですか。」と。見ての通り、ビーズクッションは誰もそこから抜け出せないような蟻地獄的快適空間を作り上げるのだ。
(Jump On Itした図である。ちなみにこの空間には私しか存在し得ないのだが撮影者は誰なのだろうか。そう、アイフォンwithT(タイマー)である。)
ところで皆さんはご存知だろうか。
本日8月26日、私の住む街高円寺は人でごった返している。というのも、高円寺阿波踊りが行われているからだ。
まだ住み始めて4ヶ月程度の私は「どうして阿波踊りが行われているか」存じ上げないが、そこに舞台があれば人は何だって踊るのだ。踊る大捜査線だ。レインボーブリッジのごとく、誰も高円寺パル商店街を封鎖することはできない。
一度どんなものか確認するために外に出たものの、1人で祭りに参戦した友人弱者になってしまった。そんな私は「焼きそばどうですか〜?」「ラーメン500円です!」という声をBGMにしながら家まで引き返し、再びビーズクッションに腰を下ろす。
「幾つになっても」というほど時間は経過していないが、「幾時になっても」学ばない私は、今日という日を終えるまで、この蟻地獄ビーズクッション上から一寸たりとも動くことはないだろうと祭りの音を聞きながら思う。
「友達いなさすぎて笑うわァ〜」と口で呟くものの、誰も返答してくれない寂しさがこの部屋に漂う。帰り道に立ち寄ったコンビニで買ったモナカアイスは暑さで溶けかけ、ふにゃふにゃになっている。「まるで自分はこのモナカアイスだ。ふにゃふにゃで堕落している。」とポエミーなことを考えながら、自分を喰い殺すようにアイスを頬張った。
っていうとなんか寂寥感が出ることに気付いた。アイスはいついかなる時でもそのバリューを発揮し美味しくいてくれるので、とても高尚な存在である。
どうやら高円寺阿波踊りは明日までやっているようなので、友達でも恋人でも連れて行ってみてはどうだろうか。