愛のあるディスりは「いじり」であり、愛のないディスりは「いじめ」である
どうも、ササキです。
私の中ではもはや鉄板ネタ、周囲の友人で知らない人はいないのではないかと思うぐらいいつも使わせてもらっているネタがあります。
その名もいじめと間違えられて通報された事件。
中学生のとき、幼馴染2人と一緒にバレーボール部に入部し、部活に明け暮れました。
私はその幼馴染たちの中でいじられキャラだったので、ひたすら罵詈雑言によりいじられます。
ブス・デブ・キモい・死ね・腐乱加齢臭など。
腐乱臭と加齢臭を組み合わせた腐乱加齢臭という造語は、中学生にしてはなかなか秀逸ではないでしょうか。加点ポイントです。
また電車通学だったので、私たちが乗ろうとしている電車が発車ギリギリの状況に陥ると
「おい!ブタァ!電車止めてこい!」と叫ばれます。
理不尽にもほどがあるし、物理的に無理です。
側から見ると「え、やばい。ササキさんいじめられてる。」と見えていたそうですが(後日談)、私たちの間にはそのような「いじめ」という概念は存在していませんでした。
しかし、そんなある日、私たちの概念を覆す大事件が起きます。
高校のバレー部の顧問であり、中学のバレー部とも関わっていた生徒指導の先生から「おい、ササキ。ちょっと部活のことで話がある。生徒指導室に来い。」と言われました。
当時部長というこもあり、何の気なしに1人で生徒指導室へと向かいます。
しかし、中に入ると生徒指導の先生と学年主任の先生が待ち構えていたのです。
少し違和感を覚えつつも、フッカフカの椅子に腰をおろした私に向かって生徒指導の先生は重々しく口を開きました。
「お前、いじめられとるんか。」
・・・・・・・・・・(双方の間に沈黙が流れる)。
え?私いじめられてんの?
あの幼馴染2人について話していることは分かりましたが、自分たちの中ではそれは「いじめ」ではありませんでした。
なのでここぞとばかりに弁解します。
私「いえ、幼馴染なのでただ戯れあっているだけです。」
先「それはお前の感覚が間違っとる。」
・・・・・・・・・・(また双方の間に沈黙が流れる)。
え?感覚レベルでの間違い?
どうやらその先生によると、一般の方から「電車でおかっぱ(ササキ)の子が2人の女の子からいじめられているようですが、学校側はどのような対処を取っているんですか?」とファックスが送られてきたようです。
通報されるレベルで私たちのやりとりはヤバかったのだろうか。
その日は「私が気付いていないだけでいじめられているのか?いやあれはいじめではないよな…」という複雑な想いを抱えて帰路につきました。
翌日、私と幼馴染2人も生徒指導室に呼び出され、色々と説教をされ「親しき仲にも礼儀あり」の一言で事件は一件落着。
あの騒動はLegen……Wait for it......Daryです。
そもそも「いじめ」とは何なのか
文部科学省で「いじめ」とは以下のように定義されています。
「いじめ」とは、「当該児童生徒が、一定の人間関係のある者から、心理的、物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの。」とする。
なお、起こった場所は学校の内外を問わない。
つまり、その児童が「これはいじめだ」と思った瞬間からが「いじめ」になるということです。
客観的には判断しにくい定義であるからこそ、先生たちはできる限り「いじめ」の早期発見に努めていたのだと思います。
しかし、私は幼馴染の暴言を「いじめ」と捉えたことはありませんでした。
なぜなら「なんだかんだ言って、こいつらは別に私を嫌っているわけではないな。むしろ私のこと大好きかよ(自過剰)」と感じていたからです。
つまり、愛のあるディスりであったということ。
愛があるとはどういうことかというと、「あえて暴言を吐くことで関係をさらに強固なものにしていく」ということです。
「すごい可愛いね〜!」という人とは表面的な付き合いになりがちですが、「おい、ブス!」と言ってくれる人とは深い付き合いになることってありますよね。
そういったスタンスです。
私はそれを感じ取っていたからこそ、表面的に見ると「いじめ」に見えるものであっても、本質的にはただの「いじり」でしかなかったのだと思います。
逆に愛がないディスりは「いじめ」です。
例えばシカトとかはその最たる例。
「村八分」という、掟や規則を破ったものは「無視をされる」ということが制裁として昔にあったように、他人から存在しないように扱われることはこの上なく辛いもの。
その人とのコミュニケーションを遮断したり、その人の存在がそこにないかのように振る舞うことは「関係をただ破壊すること」でしかなく、そこに愛は一切存在しません。
愛のあるディスりは「いじり」・愛のないディスりは「いじめ」
「いじり」と「いじめ」の境界は主観的なものなので、非常に分かりにくいです。
だからこそ私は一般の方から通報されましたし、周りからは「イジメられているササキさん」というイメージを持たれていました。
しかし、自分の中でそれは「いじり」であり、 「いじめ」ではなかったので、特に精神を病むことなく学生生活を送れたのだと思います。
またこうして鉄板ネタとして使えることはすごく有難い。
私たち、ズッ友だょ!